Last Updated on 2025年6月6日 by ドクタービリー
PFCバランスとは
- 「たんぱく質(P)」「脂質(F)」「炭水化物(C)」の摂取比率
- ダイエット中、どんな食事をすればいいのか。
- 私も極端な制限に走ったことがありました。
- そんな経験からたどり着いたのが、「PFCバランスを意識した食事」でした。
- この記事でわかること
- “PFCバランスとは何か?初心者にも分かる基本解説”
- “医師が実際にどう食事を整えているかの実例”
- “栄養を「減らす」のではなく「整える」という考え方”
- 今回は私自身が取り組んでいるレコーディングダイエット(記録型ダイエット)の中でも、「食事の考え方」にフォーカスして整理しました。
こんにちは!
ドクタービリーです!今回は「ダイエットと栄養バランス」についてお願いします。
PFCバランスとは?三大栄養素の黄金比を知ろう
PFCバランスとは
ダイエットにおいても、栄養バランスはとても重要です。
特定の栄養素を極端に制限する方法は、一時的には体重が減っても、長期的には続きません。
では、どうバランスをとればいいのでしょうか?
答えの一つが、PFCバランスです。
PFCバランスとは、「P=たんぱく質(Protein)」「F=脂質(Fat)」「C=炭水化物(Carbohydrate)」の摂取比率のことです。
この3つは三大栄養素と呼ばれ、私たちの体を動かすエネルギー源になります。
- たんぱく質(Protein):筋肉・内臓・皮膚など体の材料になる
- 脂質(Fat):細胞膜やホルモンの材料になり、体温や内臓を守る
- 炭水化物(Carbohydrate):脳や体の主なエネルギー源になる
どんなダイエットでも「カロリー」だけでなく、このPFCのバランスがとても重要になります。
食事内容を毎日記録する「レコーディングダイエット」では、このPFCバランスの意識が非常に重要になります。記録することで、自分が何をどれくらい摂っているのかを客観的に見直せるからです。
厚労省が推奨する理想のPFCバランス
厚生労働省の食事摂取基準(2020年版)では、以下のようなバランスが推奨されています:
- たんぱく質(Protein):13〜20%
- 脂質(Fat):20〜30%
- 炭水化物(Carbohydrate):50〜65%
この比率は、健康的に過ごすために設計された基準です。
この比率を見て、「炭水化物、多くない?」と思う方もいるかもしれません。
ですが、糖質は脳の唯一のエネルギー源でもありますし、
極端に減らすと眠気や集中力低下、代謝の悪化を引き起こすこともあります。
ダイエット時のPFCバランス
一方で、ダイエット時には少し違うPFCバランスが推奨されることがあります。
一般的に以下のような割合が理想とされています:
- たんぱく質:30%
- 脂質:20%
- 炭水化物:50%
これは、筋肉量を落とさず脂肪を落とすために、たんぱく質を多めに摂ることを意識した比率です。
ただ、これらの数値も色々議論があるようです。
余談
たんぱく質が低く設定されているのは摂りすぎによる腎臓に障害を与える可能性を懸念したもののようですが2018年のシステマティックレビュー(ある研究課題について全ての文献を網羅的に集め、まとめたもの)に基づくと現在は35%まで摂取しても問題ない 1)という見方もあるようです。
たんぱく質
特に意識しないと不足しがちなのがたんぱく質です。
たんぱく質は、筋肉、内臓、髪、爪、皮膚、酵素、ホルモンなど、
体のあらゆるパーツをつくる材料になります。
それだけでなく、食後に最も消化吸収にエネルギーがかかる栄養素でもあり、
「摂るだけで消費カロリーが上がる」というメリットもあります。
では、どのくらいの量が必要?
ざっくり計算するなら、以下のようになります:
- たんぱく質:体重 × 1.6g/日
- 脂質:総摂取カロリーの20〜30%程度
- 炭水化物:残りのカロリー分を調整
たとえば、体重60kgの人が1日1800kcalを目標とする場合、
- たんぱく質:96g(約384kcal)
- 脂質:40〜60g(360〜540kcal)
- 炭水化物:219〜264g(876〜1056kcal)
になります。
たんぱく質の量はは2018年に行われた研究 2)で
1.62g/kg/日を超えるたんぱく質を摂取しても筋肉は増えない
と示されたため、ダイエット中は上記の量を勧めます。
タンパク質、どこから摂る?
たんぱく質といえば「肉・魚・卵・大豆製品」が王道ですが、
最近はプロテインバーやプロテイン飲料も手軽に手に入ります。
ただし、加工食品でたんぱく質を摂りすぎると脂質や添加物も摂ってしまうことがあるので、
できるだけ自然な食品から摂るのが理想的です。
たんぱく質の役割
たんぱく質は、筋肉の維持だけでなく、さまざまな重要な働きを担っています。
そのひとつが、空腹感を抑えるホルモンの分泌に関与しているということです。
特に注目すべきなのが朝食でのたんぱく質摂取。
朝食でたんぱく質をしっかり摂取することが1日の空腹感を減らす 3)
逆に、朝食を抜くと空腹感が増しやすくなる可能性もあるため、朝のたんぱく質摂取はとても重要です。
ビリーの食生活
私の現在の食事内容は以下の通りです。
- 朝 完全食プロテイン
- 昼 Nosh(ナッシュ)の冷凍弁当、玄米おにぎり、スモークチキンスライス100g
- 夕 朝昼のカロリーを見て調整
朝と昼のメニューを固定し、
あらかじめ計算し、夕食で調整して目標カロリーまで抑える方法をとっています。
これだけで1か月5kg減りました!
今後は食べた食事内容についても、徐々に共有できればと思っています。
ガス抜きも大事
食事制限というと、我慢ばかりに見えるかもしれません。
でも、私の場合、休日のお昼は家族と出かけて、ある程度好きなものを食べて「ガス抜き」するようにしています。
無理をしすぎず、適度に緩めること。
これが、ダイエットを長く続けるためのコツだと私は感じています。
今回は少し専門的な話が多くなってしまいましたが、
もし「難しいな」と感じた方は、最後のひとりごとだけでも参考にしてもらえたらと思います。
まずは、PFCバランスを意識したカロリー設定に挑戦してみることから始めてみてください。
明日からも頑張りましょう!
ビリーのひとりごと
- PFCバランスは「体をつくる三大栄養素の割合」
- ダイエットでは「P多め・F控えめ・C調整型」がおすすめ
- たんぱく質は体づくりに必須。DITも高くダイエット向き
- 食べ物の「量」よりも、「栄養の質とバランス」で見ることが大事
- 一番大事なのは、自分が続けやすく体調が良いと感じられるバランス
食事内容を記録して振り返ることで、自分にとって続けやすく、効果のあるバランスが見えてきます。
私が実際に1ヶ月間レコーディングダイエットを実践して得た効果については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
👉 医師が1ヶ月試したレコーディングダイエットの効果とは?
1)Mary E Van Elswyk et al. Adv Nutr. 2018 Jul 1;9(4):404-418.
2)Robert W Morton et al. Br J Sports Med. 2018 Mar;52(6):376-384.
3)Heather J Leidy et al. Br J Nutr. 2009 Mar;101(6):798-803.
コメント