運動ゼロで痩せられる?医師の視点と実体験

走る男女 医師が語るダイエットの知識

Last Updated on 2025年6月6日 by ドクタービリー

運動ゼロで痩せられる?

  • 痩せられるが健康的に痩せるためや見た目を気にするなら必須。
  • 忙しい日々の中で、「運動しなきゃ」と思うほどダイエットがつらくなることがあります。
  • でも、本当に運動しないと痩せないのでしょうか?
  • 医師として、また実際に生活を変えてきた一人として考えてみました。
  • この記事でわかること
    • “運動ゼロでも体重は落ちるのか?”
    • “運動の「意味」と「役割」はどこにあるか”
    • “現実的に続けられる方法と、心の持ちよう”
  • 「運動なし」でも結果は出せるのか——実感をもとに正直に書いています。

こんにちは!ドクタービリーです!
今回は運動についてです。

ダイエットと運動

これまでも何度かお伝えしてきましたが、ダイエットでは「食事」が最重要です。
よく言われるのが、「運動1割、食事9割」。

ただ、これは「運動が不要」という意味ではありません。
健康的に痩せるためには、運動も大切です。

運動の種類

運動には大きく分けて2種類あります。

  • 有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)
  • 無酸素運動(筋トレ、短距離走など)

無酸素運動とは?

短時間に強い力を出す運動のこと。
「無酸素」とは、酸素を使わず筋肉の中のエネルギー源を使って動くという意味です。
代表例は筋トレ

主な効果:筋肉量の増加、基礎代謝アップ
→ 筋肉が増えると、何もしなくても消費されるエネルギー(基礎代謝)が増えます。

有酸素運動とは?

軽め〜中程度の負荷を、長時間続ける運動です。
呼吸しながら、糖や脂肪を酸素と一緒に燃やしてエネルギーを作ります。

  • 主な効果:脂肪燃焼、心肺機能の向上、生活習慣病の予防・改善

一見、「ダイエットには有酸素運動だけでOK?」と思いがちですが、
それだけでは不十分なケースもあります。

なぜなら、有酸素運動には筋肉が落ちやすいという一面もあるからです。

実際どうなの?エビデンスから見る運動の効果


例えば、無酸素運動(筋トレ)だけでも体脂肪率が1ヶ月で約1.46%減少したという報告 1)もあります。

また、2011年の研究 2)では、肥満の成人119人を対象に、以下の3グループで比較されました:

  1. 有酸素運動のみ
  2. 無酸素運動のみ
  3. 有酸素+無酸素運動の組み合わせ

結果はこうでした:

  • 体重・体脂肪の減少効果が高かったのは、①有酸素運動と③の組み合わせ
  • 筋肉量の増加効果が高かったのは、②無酸素運動と③の組み合わせ

この結果からは、「痩せるなら有酸素運動、筋肉をつけたいなら無酸素運動」が基本方針になります。
時間的に効率が良いのは有酸素運動だけど、見た目や体力も整えたいなら筋トレも取り入れるべきという結論です。

組み合わせの注意点「干渉効果」

有酸素と無酸素運動を同じ日に行う場合、注意すべきことがあります。
それが「干渉効果」。

これは、異なるタイプの運動を一緒にやると、効果が相殺されやすいという現象です。

たとえば、筋トレ後に疲れ切って有酸素が十分できなかったり、ホルモンのバランスが崩れて回復が遅れたりします。

でもご安心を。
「筋トレ→有酸素運動」の順番で行えば、干渉効果は最小限に抑えられるとされています。 3)

結局、どんな運動がオススメ?

目的別にまとめると、以下のようになります。

  • 体重や体脂肪を減らしたい → 有酸素運動中心
  • 筋肉量を保ちながら痩せたい → 無酸素運動+有酸素運動の組み合わせ
  • とにかく続けたい → 自分が苦にならない運動を選ぶのがベスト!

そして何より大切なのは、「ダイエット後も続けられるか」という視点。
ダイエットは健康になるための手段であり、ゴールではありません。

運動が「生活の一部」になれば、リバウンドもしにくくなります

実感からのひとこと

運動が苦手だった私も、今ではアンダーデスクバイクを漕ぎながらブログを書くのが習慣に。
「小さなことからコツコツと」が、やっぱり一番の近道です。

参考:厚生労働省の推奨

  • 毎日60分以上の身体活動(例:1日8,000歩以上
  • 息が弾み汗ばむ運動を週60分以上
  • 筋トレは週2〜3回

おわりに

どんな運動が正解かは、「あなたの生活と続けやすさ」で決まります。
痩せることよりも、健やかに生きることを大事に。

今日できる一歩を、一緒に踏み出していきましょう!

ビリーのひとりごと

  • 健康的に痩せるには運動も重要。
  • 運動には無酸素運動有酸素運動がある。
  • 無酸素運動は短時間で強い力を発揮する運動。
    例)短距離走、筋力トレーニング
    効果:筋肉量の増加
  • 有酸素運動は軽度から中等度の負荷のかかる運動を長時間継続して行う運動。
    例)ウォーキング、ジョギング、水泳
    効果:脂肪燃焼心肺機能の向上生活習慣病の予防・改善
  • 無酸素運動のみでも体脂肪率が1か月で1.46%減少する。
  • 有酸素運動のみ、無酸素運動のみ、有酸素運動+無酸素運動を比較すると、
  • 時間的負担を考慮すると有酸素運動のみが最も体脂肪率体重を減らす効果が高い。
  • 無酸素運動を組み込むことで有酸素運動のみより筋肉量が増加する。
  • 有酸素運動無酸素運動を組み合わせる場合は、
  • 干渉効果(互いのメリットを打ち消し合う)に注意。
  • 無酸素運動から有酸素運動の順に行うと干渉効果を最小限にできる。
  • ダイエット健康になるためのもの
  • ダイエットが終わっても運動を続けられることが大事。

1)Michael A Wewege et al. Sports Med. 2022 Feb;52(2):287-300.
2)Leslie H Willis et al. J Appl Physiol. 2012 Sep 27;113(12):1831–1837

3)Kevin A Murach et al. Sports Med. 2016 Aug;46(8):1029-10

コメント

タイトルとURLをコピーしました